島で生きる

島に着いた翌日からの仕事となる。
迎えにこられた職員の方がー「じゃ、明日からお願いします」-と仰った。
もちろん、それで全然構わない。
翌朝、8時からの仕事と言われていたので7時40分に職場について
働く場となる部屋のドアをあけると、同僚となる2人がすでに仕事をしていた。

私は急いで仕事に就いたが、何せ初めての場所、知らない場所。
その仕事で何年経験があっても、出来る事と出来ない事がある。

私は2週間、仕事を教えてもらう事になる人にこう言われる。
「じゃ、やって」
その人は、私がすでに仕事をする体制に入ったからそう言ったのだった。
仕事が分らなかったり、出来ないと思えば、手を出さずに聞くべきだった。
そう言う事が分らない、社会人1年生では無いのだから。

しかし、その言葉はプレッシャーとなり、いきなりミスをする。
一段落するまで余計な緊張と、相手に対するネガティブな思いが生まれる。
体に刺さる空気。
しばらくして、刺さってしまった空気の濃度を調べてみて
島の状態を知る。

その人は島民で、唯一私の職場で働いている”現場”職員。
事務や清掃職員ではない。
医療従事者としてその人は仕事をしている。

この仕事に採用が決まってから人事の人に尋ねた事があった。
「半年の契約を延長する人はいましたか?」
答えは”みんな契約終了と同時に離島する”だった。

私は所詮、半年。
なんだかんだ言っても、半年経てば、この島を離れる。
ここへ来て、しばらく働いている人達も、いずれはそれぞれ自分の街へ戻る。
しかし、島民のその人はここで働き続けるのだ。

その人は言う。
「医者も契約があるから、東京から1年契約でやって来る。
でも居て、1年。
最近は地方医療に目覚めた医者もいるけれど
こういう場所はここだけじゃないし」

あの日の、あの時の空気がいろんな事を考えさせた。

今夜は茂木さん司会のNHK「プロフェッショナル」では北村愛子さんが出演される。
スペシャリストのナースとしての話を聞けるのが今から楽しみだ。
北村愛子さんの思いを聞きながら
今身近で、場所や役割は違うが
ナースとしてこの島で、これからもずっと働いている人を思うだろう。
[PR]
by Mercedes88 | 2007-02-22 14:19 | 島からの便り
<< うちの息子が優勝! 島の色 >>