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読書クラブ 3

 翌日お昼の2時過ぎ、家にいる時は常時繋いでいるパソコンからメール着信音が聞えた。それはシュミットからのメールだった。
『こんにちは。よければカフェでお茶でもどうですか?』
えみは2度メールを読み、返事を出した。
『こんにちは、シュミットさん。アールグレイでよければこちらでいかがですか?』
シュミットからはすぐに返事が届いた。
『これから行きます』
えみは自分の行動が軽はずみでない証拠として、「初恋」について、知っていることを近くにあったダイレクトメールの裏に書いてみた。しかしあまり覚えてはいなかった。
 
 ドアフォンが鳴り、受話器を取るとシュミットの声がした。
「こんにちは、シュミットです」
「どうぞ」
えみはそう答えると3秒ほど一階のドアを開けるためのボタンを押した。そしてシュミットがドアベルをもう一度押さないで済む様にドアの外でシュミットが来るのを待った。
シュミットはエレベーターを降りて通路へ出るとえみが見えた。それはシュミットにはうれしい驚きだった。
「いらっしゃい」
「急におじゃまして、良かったですか?」
「かまいませんよ。どうぞ入って。すぐお茶を入れますね」

 シュミットをリビングへ通し、えみはキッチンで紅茶を入れマグに注ぎ、ミルクと一緒にリビングへ運んだ。
テーブルにお茶を置くと、自分もシュミットの向かいに昨日と同じ様に座った。
「実は『初恋』のストーリーってあまり覚えていなかったの。次の土曜日までには何とか読めるとは思うけれど、ダメな時はどんな話だったか教えてください」
シュミットはえみの顔を見ながら話を聞いていたが、話が終ると笑顔で聞いた。
「どんな事を覚えているんです?」
えみは過去の記憶をたどる様な薄目を開けた表情を作って見せて言った。
「確か少年の恋している年上の女性には好きな男性がいて、それがその少年の父親ってくらいかしら。間違っている?」
シュミットはイジワルな大学教授風の声を出してして言った。
「君はいつそれを読んだじゃ?それじゃ本の裏のあらすじより短い!今回はEだね」
そう言って、えみが声を出してくすくす笑うのを聞くと、また続けた。
「何がおかしいんじゃ、ゆるせんな、君はFじゃ!」
そう言うとシュミット自身も笑い出した。そして言った。
「川原さんの笑う声は良いですね。とてもやさしい笑い声です。もっと笑うべきですよ」
えみは今シュミットが言った事に対して何か言おうと思って、笑顔だった顔を少し滑稽な顔にして見せたが言葉が見つからなかった。そしてその代わりに小さなため息が出た。
「僕は川原さんの声がすてきだと思ったからそう言ったんです。それが何か・・・」
「ごめんなさい。私すぐため息付くの。悪いくせですね。気にしないでください」
えみはそう言うと笑顔でシュミットを見て、それから言った。
「私はFだから土曜日までには何とかCはもらえる様に、がんばって読まなくちゃ」
シュミットはうなずきながら言った。
「昨日この部屋の本棚を見ました。日本語だけど知っている本もありました」
「たとえば?」
「『わが谷は緑なりき』」
えみは若い人が、しかも外国人で知っている人は少ないと思ったので思わず聞いた。
「本を読んだの?それとも映画を見たの?シュミットさんの様な若い外国の方がこのタイトルを知っているなんて驚きました」
シュミットは自分の話に意外性を見つけ質問してくるえみをうれしく思った。
「僕の母親は日本人です。小さい頃から何度か日本へ来て、日本の高校へも行った。日本が好きだから今日本で働いている。もちろん英語を教える仕事しか僕には選べないけれど。母は本や映画が好きです。この本みたいに英語と日本語のタイトルを知っているものもある。僕は映画を最初に見て、本は後から読みました。イギリス人の僕にはウェールズはすぐ近く。僕は子供だったからヒューみたいにみんなから愛されたいと思った。あの時代ならではの家族愛の話ですよね」
シュミットが自分の事を話し始めた時、えみは急に落ち着かない気分になり、自分の心臓が少し早く動くのを感じた。そして自分が話そうしたこの本の事を話さずにいようと思った。しかし口から出てきた言葉は、その話だった。
「私はブロンウインに憧れていたわ。あんな女性になりたいと思った」
そしてシュミットがえみを見つめながら言った。
「ヒューも彼女にあこがれていた」
えみは自分が口にした言葉を後悔したが、なぜ後悔しているのか理由が分からなかった。えみはシュミットが自分を見つめる視線を体に強く感じながら、それから逃れる為に、わざと大きくうなずいてみせて、こう言った。
「そうね、あの家族の愛情の深さは今の時代には見つけられないわね、きっと」
「そうですね。ぼくもそう思います」
シュミットは先日えみが郵便で受け取ったアマゾンからの封筒の事を聞いた。
「ところでアマゾンからは何を買ったんですか?」
えみは雰囲気を変える丁度いい話題と思い、アマゾンから送られた本をテーブルに置いた。
「主人がこの本がとても好きだったの。彼は日本語を外国の人達に教えていて、生徒さんと仲良くなるとこの本をプレゼントしていたわ。日本の作家の優れた作品を読んでもらいたかったのね。彼が亡くなってからは私が続けようと思って。これ、差し上げますよ」
それは安部公房の「砂の女」の英語版だった。
シュミットは本を裏にしてあらすじを読むと言った。
「おもしろそうな本ですね。どうもありがとうございます。ご主人の事は残念です」
本を手にしてシュミットは立ち上がりえみに言った。
「今日はきゅうにやって来て、すみませんでした。でも本の話をするのは楽しいから。」
えみも立ち上がり笑顔でシュミットに言った。
「私もシュミットさんと本の事を話せるのは楽しいから、土曜日が楽しみです」
シュミットはドアまで行って振り返り、えみを見ながら言った。
「川原さんの名前は何ですか?」
「私の名前?えみです。川原えみ」
「えみさんと呼んでいいですか?」
シュミットは笑顔でえみを見て聞いた。
「えみでいいですよ」
「ありがとう、えみ。じゃ僕の事もシュミットと呼んでくださいね」
えみは笑顔で大きくうなずいて、ドアを開けて帰っていくシュミットの背中を見つめた。


To be continue......

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by mercedes88 | 2005-10-30 14:26 | ストーリー

読書クラブ 2

 その日の夜、日本語のレッスンが終わって、パソコンのメールチェックをした。
シュミットからの今夜送られたメールが来ていた。えみはメールを開いて読んだ。
『川原さん、今日はおあいできてうれしく思いました。もしよければ土曜日、2人で「読書クラブ」をしませんか?メールをまっています。シュミット』
疲れていた事もあり断わる理由を考えるのも面倒で、えみはこう書いてメールを出した。
『シュミットさん。メールありがとうございます。それでは土曜日にクラブを開きましょう。場所は私のアパートです。駅からメールをくださればお迎えに行きます。川原 』

 土曜日の2時少し前にシュミットから、「今、えきです」というメールが届いた。えみは薄いパープルのスプリング・コートを着てすぐに駅へ向かった。
 シュミットは改札口を出て切符の自動販売機の前に立っていた。
背はあまり高い方ではなく黒い髪を清潔な感じにカットしてブルーのアウトドア用のジャケットを着ている。えみを見つけるとゆっくりとえみの前に来て微笑みながら言う。
「こんにちは。クラブを開いてもらってうれしいです。ありがとうございます」
「私もクラブが開けて良かったと思っています」

 2人はえみのアパートのある通りへ出て、ゆっくり並んで歩いた。
今週の初めから咲き始めた桜が見ごろでこの週末は満開になると思われた。
「お花見はしましたか?」
「いえ、していません。でも楽しいですよね、お花見は」
シュミットはえみを見ながら答えた。そして続けて言った。
「すてきな色のコートですね、僕その色好きです」
えみは急にコートを褒められ戸惑った。うれしいとなぜか言えない。でも陽気な声で言った。
「どうもありがとう。私もこの色が気に入って買ったの」
そしてアパートに着いてメールボックスから郵便物を取り出しドアを開けシュミットを通し、一階にいたエレベーターに乗りえみが8階のボタンを押す。シュミットはえみが持つ郵便物にアマゾンコムの封筒を見つけ興味を持つ。そしてエレベーターは8階に止まった。
えみが先にエレベーターを降りドアの並ぶ通路へ行く。シュミットが8階からの眺めを楽しんでいるのが分かると、えみは立ち止まり隣の建物の裏庭を指差して言った。
「シュミットさん、ほら見て、桜。きれいでしょう」
シュミットはえみが指差す方へ目線を落とし、5割程度咲いている大きな桜の木を見た。
「ここからお花見が出来ますね。良いなぁ・・・・」

 えみがドアの鍵を開け、シュミットを呼ぶ。そしてふたりは部屋の中へ入って行った。
えみはシュミットをリビングルームへ通し、コートを脱ぐとシュミットに尋ねた。
「ジャケットを預かりましょうか?それに好きな場所に座ってください」
シュミットは部屋の真ん中にあるテーブルの1つの椅子の背もたれにジャケットを掛けその椅子に座った。それを見たえみはシュミットに聞いた。
「飲み物は何が良いですか?と言っても、紅茶とミネラルウォーターしかないけれど」
「川原さんは何をのみますか?」
「私は紅茶だけれど・・・」
「じゃ僕も同じものをお願いします」
「アールグレイとダージリンがあるけれど、どちらが良い?それとミルクとお砂糖は?」
「アールグレイとミルクを」
えみはキッチンでアールグレイをポットに作りマグに注いでミルクのコップと一緒にリビングへ運んだ。シュミットは出された紅茶にミルクを入れ一口飲んで言った。
「美味しいです。ありがとうございます」
えみは早速クラブを始めようとテーブルに本を置き、シュミットに質問を始めた。
「シュミットさんはこの本が好きですか?」
「好きじゃないけれど、良い本だと思います。テーマは愛だし」
「シュミットさんはいつこの本を読んだんですか?」
そんな質問をしながらえみは、事前に質問のリストを作らなかった事を後悔した。
「大学生の時です。オックスフォードの古本屋で見つけて読みました。ケイトはメインキャラクターとしてはとても魅力的です。激しい情熱を密かに隠し持っていてその情熱がこの物語の悲劇にもなっている。あの、良ければシュミットと読んでください」
えみはシュミットの話す日本語を聞いていた。シュミットが何を話しているかではなく、彼が話す日本語を聞いていた。彼の声で話される日本語はえみには素敵な音だった。しかし、えみは今シュミットが“オックスフォード”と言ったのを聞き逃さなかった。
「大学はオックスフォード大学ですか?」
シュミットは紅茶を一口飲んでえみを見ながら答えた。
「いいえ。ちがいます。でも僕の大学はオックスフォードにありましたけれど」
えみは少しイジワルそうな顔を作って見せ、シュミットに話しかけた。
「関係ない本の話ですけれど、『森の生活』って本、ご存知ですか?」
シュミットは口元へ持って行っていたマグをそこで止めて
「ソローの?」
と聞くと、一口紅茶を飲んだ。
えみは急に嬉しくなり、思わず笑顔になった。
「ええ、そう、ウォールデン、ソローの書いた。ご存知なんですね」
シュミットは少し不思議そうな顔をしながらもえみに言った。
「大学の時、どこかを旅行している時に読みましたよ。季節が良かったから、寝袋で寝ながら読んだ事もあって・・・まぁピッタリですよね、そんな時に読むには」
えみはその質問をした理由を話した。
「以前英会話を勉強しようと思って、街のカルチャーセンターで見つけた3人の先生に会ったの。1人の先生はオックスフォード大学卒業の人。『森は自分の聖地だ』と言われたの。だから聞いたの『ソローの『森の生活』は読みましたか?』って。そしたらその方、『そんな本、知らない』って言われて・・・・・」
えみがすこし笑いながら話すので、シュミットも笑顔になって話した。
「彼らはとても忙しいんですよ、勉強に。すごい大学を出たって事はそれだけ勉強したって事です。僕みたいに小さな大学で勉強したのとは違いますよ」
えみは自分が小さな視野で物を見ていた事を恥ずかしく思って、すこし神妙な顔をした。
えみのその思いを読み取ったのか、シュミットが今度は話し出した。
「でも、その人はきっと森で時間を過ごすのが好きなんでしょう。なら読むべきだよ、あの本は。たしかにかなりボリュムのある本だけれど・・・」
えみはその言葉に笑顔を取り戻し、つぶやいた。
「確か昨年、改訂判が出たはず。その人にプレゼントすれば良かったわ・・・・」
そして2人は「鳩の翼」の話に戻った。

 2時間後、テーブルから離れるシュミットは言った。
「楽しい時間でした。できればこのクラブを続けませんか?僕は続けたいのですが・・」
えみもこの2時間の楽しさ、本を語る楽しさを続けたいと思った。それは以外だったが。
「喜んで。じゃ来月は何の本にします?」
シュミットはジャケットを着ながら答えた。
「ツルゲーネフの『初恋』」
えみは笑顔で答えた。
「それなら10代の頃に読んだわ。」
「じゃ1ヶ月も待たなくていいですね。今度の土曜日はどうですか?」
えみはシュミットの素早い提案を魅力的だと思ったが、すぐに返事が出来なかった。それを察したのか、シュミットがこう言った。
「このクラブで好きな本の話が出来る事は楽しい。もっと好きな本の話をしましょう」
えみはそう言うシュミットに押される感じで答えた。
「じゃ土曜日の同じ時間、ここで。本は『初恋』?もっと最近の本でも良いんですよ」
「じゃ『アメリカン・サイコ』にしましょうか?」
そう言うとシュミットはニヤリと笑ってえみを見た。
「あーぁ!それは許して!でもシュミットさんが是非を言うならば挑戦しますけれど」
えみはそう言いながら苦笑いをして見せた。
「うそですよ、ごめんなさい。『初恋』にしましょう」
「安心しました。じゃ土曜日に」
と明るく答え笑顔でシュミットを送り出した。
肌寒いこの季節に自分の顔の火照りを感じる。でもそれを気に止めず、考える事も止めた。


To be continue......

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by mercedes88 | 2005-10-29 23:59 | ストーリー

読書クラブ

― 『読書クラブ』へのお誘い ―
  『読書クラブ』を企画しております。月に一冊の本を決め、読んだ後の感想などを語り合うクラブです。
  クラブの集まりはその月の最後の土曜日の午後2時から2時間です。
  自宅での集まりを企画しており、部屋の広さの関係からも、参加者は5名様までにさせて頂きます。
  初回に読んでいただく本は「鳩の翼」作者 ヘンリー・ジェイムズ
  集会日は3月28日 土曜日 午後2時から4時までです。
  まずはメールでご連絡ください。連絡先は ekawa@dion.co.jp
         - 主催者 川原 -

火曜日の午前中えみはアパートの近くの図書館の掲示板に自分の家で企画する「読書クラブ」の誘いのチラシを貼った。

翌日の朝、パソコンを立ち上げメールのチェックをすると一通のメール来ていた。
『東本郷の図書館で「読書クラブ」のポスターを見ました。参加希望します。メールを待っています。よろしく。シュミット』
シュミット?ニックネームかしら?えみはそのニックネームに興味を持った。海外に興味を持っている人物というイメージがニックネームから伺える。えみはその人物へすぐメールを書いて送信した。
『シュミット様 参加希望のメールありがとうございます。クラブの住所は下記のとおりです。ご質問はメールにてお願いします。どうぞよろしく。〒--xxxxx』
それから一週間、参加希望のメールは一通も来なかった。
  
図書館にチラシを貼って5週間が過ぎた。
夫が亡くなってから始めた日本語を教える仕事は午後にしている。昼過ぎの2時くらいまではのんびり出来る。
えみは未だに夫が仕事から帰って来る様な気がしていた。
・ ・・・いつ帰って来てもいい様に、準備しておかなくちゃ・・・・
そんなえみに、アメリカに住むえみの親友ジョディーはなだめる様に言った。
「彼は帰って来ても、あなたがいないといって、まだ消えたりしないから安心して。えみはえみの人生をもっと楽しむのよ。外に出て、人に会うのよ」
そしてジョディーはえみに、アメリカで流行している“読書クラブ”を開く事を薦めた。
今朝からえみは「読書クラブ」を中止にする事を考え始めていた。参加希望はシュミットというニックネームの人物のみ。2人ではあまり面白い語らいは望めないと思い、今週末のクラブの中止を決め、えみは参加希望者のシュミットにメールを出した。

『シュミット様 大変残念な事ですが、『読書クラブ』参加希望者があなたお1人でした。私は5,6人の方々との語らいを企画していたので、今回の企画は中止させて頂きす。身勝手で申し訳ありません。深くお詫び申し上げます。 川原 』
メールを送信してすぐ、図書館へ出かけ掲示板のチラシをはがし、カウンターの女性に使っていた画鋲を返した。
図書館のカウンターの女性が言った。
「誰からも連絡がなかったんですか?面白い企画だと思ったんですけどね」
えみは両肩を少し上げて答えた。
「私も楽しみにしていたんです。でも2人では少し寂しく思って・・・」
「2人って、あなた以外に?」
カウンターの女性が興味深げに聞いてきた。
「いいえ、私を含めて2人です。だから残念だけど、中止にしました。お世話になりました」
お礼を言い軽くお辞儀をして、えみはすこしため息をついた。
えみはチラシを手にしたまま、カウンターの真後ろにある出口へ向かう為振り向いた。
そこにはグレイのコートを着た外国人の若い男性が立っていた。そして彼は言った。
「あのそのポスターは・・・・読書クラブの川原さんですか?私はシュミットです」
えみは驚いて開いた口元に両手を持って行った。
「まぁ、はい、私が川原です。はじめまして。」
シュミットは彼女が驚く理由が分からず、不思議な顔で彼女を見た。
「驚いてごめんなさい。私、あなたのお名前をニックネームだと思っていたんです。このチラシを見た日本人の読書好きな方がニックネームを使ってクラブに参加を希望されたと思っていました、ごめんなさい。それにクラブの事も申し訳ありませんでした」
シュミットはえみの話をうなずきながら聞いていた。そして言った。
「本当にクラブの事は残念です。楽しみにしていたから」
「そう言ってくださってありがとうございます。きっとこの様なクラブは探せばあると思います。街のカルチャーセンターなどに。でもお会い出来て良かったです」
えみは自分が何も考えずに日本語を話している事に気づいて言った。
「シュミットさん、日本語をお上手に話されるんですね。とてもきれいな日本語」
シュミットはえみを見つめながら思った。自分より少し年上だろうが、どのくらい歳が離れているのか分からない。少女の様な体付きで女性特有の丸みを帯びた体とは程遠く、性的な魅力はない。それでも何かがシュミットの脳に反応した。それは丁度体がキャッチする波長の様なものだった。そしてその波長が彼女の声だとシュミットの脳が判明する。
「僕も川原さんにお会い出来て良かったと思います。日本語は上手くないけれど。ありがとうございます。ではお元気で」
シュミットが図書館を出た後、えみも出口へ向かって歩き始めた。

To be continue......

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by mercedes88 | 2005-10-28 23:30 | ストーリー