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咄嗟のひと言

その横断歩道は10歩で渡りきれる。
大通りから1本入った細い道の横断歩道。
いつも朝6時55分ごろ渡るので、車もあまり通らない。
当然、信号無理をして渡ることが普通になっている。

ある日、iPodで音楽を聴きながらあと少しで陽が昇るという時間に
人通りの無い通りを、いい気分で歩いていた。
空に所々横たわる雲が、薄いオレンジと、ピンクと、ブルーの色に染まっているのを
ボンヤリ眺めながら・・・。

その横断歩道まで来て、信号が赤なのを見たけれど
車が来る気配は無いし、当然のごとく歩き始めた。
3歩くらい歩いたら、横断歩道の向こうに立っている人が何か言っている気がした。
・・・私に言っているの?・・・
その人は確かに私に言っていた。
私は立ち止まって、その人を見た。
・・・警察官だった・・・

警察官はもう一度、今私に言った事を繰り返した。
「信号は赤ですよ」
私は横断歩道の真ん中で”直立不動”の姿勢(または『気を付け』の姿勢)で
咄嗟に口元に当てていた両手を離して
静まっている空気にひびを入れる感じの声で答えた。
「申し訳ありません。これから気をつけます」

警察官ーここでは、”おまわりさん(♪犬のおまわりさん♪風の感覚で)と呼ばせてもらおうー
おまわりさんが微笑んで、青に変わった横断歩道を渡って、私とすれ違って歩いて行った。
・・・おまわりさん、笑ってた・・・

その直後私が思ったの事は
・・・良かったぁ・・・あのおまわりさんが『リーサル・ウエポン』の時のメル・ギブソンじゃなくて・・・
もしメル・ギブソンだったら、きっと私は撃たれてたなぁ。(そんな事あるわけ無いじゃない!)
私は、幾つになっても、こんな浮世離れしたことを考えている・・・・。


このエピソードに「申し訳ありません」が正解か、と言うとそれも疑問だけれど・・・。
私はどうも”すみません”の多様化が上手く利用出来ていない。
だから使わない事にしている。
さらに”かわいい”がこれも同様に、上手く利用出来ない。
だからこれも、極力使わない事にしている。
初めはつい「すみません」と言っていたが
慣れてくると、その場に適した言葉が出てくるようになる。
(その場の”適した言葉”が、この浮世離れした人が思う通り、「正解」がどうか怪しいが)

「女性の品格」をカナちゃんに貸した。
カナちゃん曰く。
「私が苦手な事、出来ない事ばかり書いてある。読んだ後うちのお母さんに貸したよ」
・・・お母さんですか・・・。
お母様ーお母様にとってはわかりきった当然の事が書かれている本でございましょう。
そんな本をお貸ししてしまい・・・どうも・・・すみません。
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by mercedes88 | 2007-11-18 22:28 | 日記

原作を突き抜ける映画ってあります?

友達と話していてー原作本よりも優れている映画ーと言う話題になった。
ちょうど「イングシッュ・ペーシェント」の話をしていて
本も良いが、洞窟の中の壁画がマッチの光で目の前に現れたシーンや
たいまつで映し出された教会の天井の絵が見えたシーンは
思わず胸が熱った、もちろんそれを見る事になった経緯も含めてだけど、
なんて、話した事から始まった。

一番最後に見た本より優れている映画はなんだろう・・・と駅まで歩きながら考えていると
やはりそれは「ハイ・フィデリティー」かな・・・と思った。
登場人物紹介という感じで、月曜の朝(だろう)ロブが自分のレコード店の鍵を上げ店を開き
店員のディック、そしてバリーがそれぞれ自作のカセットテープを持ってきて、それらを流す。
あぁ、自作のカセットテーテープ・・・・私も何本作っただろう・・・。
ディックに彼のテープを投げ返し、「月曜の朝聴く曲」テープをかけ始めるバリー。
投げ返されたカセットテープのたるみを、小指で直すディック・・・
ーあぁ、そうそう、そうやってなおしたよね・・・ー

ライブを聴きにクラブの前に行くロブの耳に店内からの曲が聴こえる。
「これってピーター・ファXXXXフランプトン?」
この曲は嫌いだ・・・とつぶやくロブ。
うっとりして聞惚れているディックとバリーにロブが「これ嫌いだった」というと
二人は「そうだね」・・・とりあえず言うも目も心もこの曲に酔いしれている。
ここでの会話がまた3人の性格を表していて面白い。
ガンガン良くタイプのバリーは
ミュージシャンとデートしてライナーノーツに自分の写真を載せたいという。
恋人と別れたばかりのロブは
ミュージシャンと住んで新曲の感想など聞かれ、ライナーノーツに二人の冗談が載る・・と語る。
ディックは自分の写真は
あくまでもミュージシャンの写真の背景にさりげなく載せる・・・と。夢見るシャイなオタク。
ピーター・フランプトンはルックスが”王子様”って感じだったから
(私はキレイな人だと思っていた)
その分男の子から嫌われていたのかも。
日本に来日した少し後、
同僚が「もしかしたら出掛けた?」とたずねるので、行っていないというと
「パイプ加えてギター引いてる時、張り切りすぎてオエッってなったらしいよ、ハハッ」
と笑っていた・・・この言葉に何か続くとしたらやはり
『カッコ悪いよなぁステージでだぜ!ヘヘッ』だろう。
そしてさらに『オレはそんなマヌケなヘマはしない』だろう・・・。
そして20年後「Baby, I love your way」をうっとりして聴いている。あぁ男子ってのは・・・。

この映画は完全に本を超えている。
ロブが「こんなヤツが出演するんだぜぇ~」と
バリーお得意のオーバージェスチャーを真似る。それがまたバリーそっくり。
(厳密に言えばJ・キューザックがJ・ブラックのしぐさを真似る)
こんな事は本を読んでいても想像つかない。
さらに、(私は何度見てもここで泣く)バリーの歌うマーヴィン・ゲイの「Let's get it on」
これ聴いただけでもこの映画見た価値あるかも。
本を読んでいて
ー○○の曲が流れ始めるー
と書かれていて自分の頭でそれを流し始める事が出来るけれど
実際に、B.スプリングスティーンの「リバー」が聴けるのは、やっぱり良いに決まっている。
(しかもレコードで)

ディックはお気に入りの歌手をこうたとえる
「彼女はシェリル・クロウと、『L.Aロー』以前の『パートリッジ・ファミリー』のサンドラ・ディーを
足したような・・でも黒人なんだけど」・・・・私は彼と気が合いそうだ。

この手の音楽映画は、原作より良いのは、当たり前かな?
でも私は「シッピング・ニュース」は原作よりもあの大自然を見れたというだけで
映画の方がよかったと思っている。
でも美しい自然は見れたけれど、
「このビデオ、窓の外に投げてイイッ?」
と実際に言ったことがある「ビーチ」と言う数時間で読んだ本の映画もある。

本と映画、どちらが良いか・・・これは究極の質問、そしてその答えは『十人十色』なのかも。
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by mercedes88 | 2007-11-11 07:20 | 映画