最近出会った美しい人達、英会話スクールの2人の先生。
1人は新しく11月から私の先生となったイギリスからやって来たL先生。そしてもう1人はそのL先生の就任が遅れた4週間をうめて、臨時で私を教えたM先生。 私が初めてL先生を見た時、それはスクールにプライベートのレッスンの予約を入れに行く時で、スクールまで30秒という地点で、丁度M先生とL先生がスクールのドアの前まで並んで歩いて来て、ドアを開けてスクールに入っていくシーンを見た時だった。 M先生はとても背が高い。190くらい有るのでは無いか。細身で黒のタイトなスーツがとても決まっていて、やや短めの黒髪がキリッとした顔立ちを一層クールに見せる。 一方L先生はイギリスから来た金髪をアップにして、いつも黒がネイビーのロング・スカートに黒のジャケットを着て、優雅に歩く恐らく160センチ程度のまさに美しい女性。 スクールの前で立ち止まり、ちょっと話してドアを開けて中へ入っていくM先生とL先生を 私は後ろから眺めため息を付きつぶやいた。 「あ~まるで映画のシーンみたい。あれ、あれ、あの・・・クリストファー・リーブとジェーン・シーモアの・・・・そう「ある日どこかで」!わぁ~もちょっと見ていたかったなぁ・・・・・・あの2人」 あの時のホンの数秒のシーンは私の頭に今も残っている。 ある日電車に乗ると私の捕まったつり革の前の座席にL先生がいた。私が声をかけるといつもの輝く瞳で私を見て優雅な笑顔を見せて「まぁ、ハロー。お元気?」 いつもの様に黒いジャケットに黒のロングドレス。上に羽織った濃いグレイのコートに黒のストール。そして輝くクリーンの瞳・・・。 私はー元気です。どこ行くんですか?この時間レッスン中じゃないですか?--というと、おばあ様が亡くなられたとの事で郵便局でお金を下ろし旅行代理店で航空券を買う、という。 私は彼女の使うイギリスで作ったVISAカードが果たしてATMで使えるか心配だったので、クリスのプライベート・レッスンにはまだ少し時間があったので、L先生についてポストオフィースへ行く事にした。 私達は街の中心の大きな横断歩道を渡っていた。 そして私は黒いナイロンのコートのポケットに手をいれ、前を開けてコートを風になびかせなが横断歩道を渡ってくるクールなM先生を見つけ小さく手を振った。 コートの中は黒のスーツ。シャツは薄いブラウンでネクタイは細身の茶とクリーン、黄色が入ったレジメンタル。 「ハ~イ、ガールズ。2人でどこ行くんだい?」 眩しい笑顔を向けるM先生。私は何も言わずに・・L先生にに尋ねて・・・というジェスチャーをして、L先生とM先生の間から位置を変えて歩道の端に立った。2人は真面目な顔で話し始め、M先生は何かアドバイスしていた様で、それをうなずいて聞いているL先生。 私はその2人を眺めながら、またしても訪れた「ある日どこかで」ペアのオリジナル・シーンにうっとりしながら見惚れていた。 2人の話が終った時M先生が私に「元気だった?今凄く忙しいんだ。でも必ずスクールへ行って顔を見せて、一緒に飲みに行く時間を作るからね」と言う。 12月の車と人があふれる街の真ん中で、私はM先生の声が初め聞こえず、聞き返すと、少しかがんでそんな優しい事を言ってくれた。 私達はM先生と別れ郵便局へ歩き始めたが、私は横断歩道をコートのすそをなびかせ渡ってくるM先生の姿が男性ファッション・マガジンのブランド・スーツの広告の様で、しばらく頭に残っていた。 一方横にいるL先生は相変わらず優雅で慌てず、彼女のVISAカードが郵便局のATMで使えず、他のどこのATMでも使えないと分かった時でさえ、やや微笑みながら 「行くなって事かしらね。だってイギリスにいるのは1日だけなんですものね」 などとつぶやく。 私は自分のカードでお金を下ろして立て替える、と提案すると、彼女はいつものきれいなグリーンの瞳をより一層大きく見開きそして眉間に軽くしわを寄せ 「お!なんて優しいの、彼方私のエンジェルね。でもそのオファーは受けられないわ。だけどとっても嬉しい。ありがとう」 といつもの雅な笑顔を見せてくれた。 L先生は結局スクールの上司からお金を立て替えてもらい今週半ばに一日だけイギリスに戻る為飛ぶ。 私達が郵便局に行った日の夜、私は個人的に彼女に電話を入れた。 彼女はもう一度お礼を言って私に聞いた。 「ねぇ、私ってバカな事やっているのかしら?1日しかイギリスにはいられないのに飛行機に乗って出掛けるなんて。彼方がどう思っているか聞かせて」 私は言った。 「私は彼方のおばあ様が亡くなったと聞いた時お悔やみを言った。でもあなたがおばあ様の年齢とお人柄を言ってから、心から暗い気分が消えたの。おばあ様はこの世で一杯楽しんだ方だそうだから、今度は違う世界でまた楽しむお気持ちよ、きっと。じゃお見送りしなくちゃ。『今度はどこ行くの?またお話聞かせてね』って言っておかないとお孫さんが10人以上いるし、いろんな国でお友達を作るのがお上手だった方ならなおの事そう約束して置かないと、お話聞かせてもらうの後回しにされるわよ。私だったら絶対行くわ。」 彼女は笑いながら答えた。 「彼方からそう言ってもらいたかったの。私も行きたいけれど、普通の人はどう思うのかって考えたの。職場の人なんかが・・。でもあなたがそう言ってくれて凄く嬉しい。ありがとう」 映画の様な美しくクールな私の英語の先生達2人。 私は出来れば、約束なしに、街で、電車の中で、そしてカフェで、突然の再会を期待する。 でも正直私がもし彼らをペア、もしくは個々で見つけても、10分は彼らを眺めていたい気がする。 だって彼らはあまりにも、私の好きな映画の登場人物的だから。
by mercedes88
| 2005-12-04 11:34
| 日記
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