ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラを聴く

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 島へ行く日は早くに決まった。
初めは2月の初めの週に、と思っていたが、やはりこれを聴いてから行こう、と考えた。

寺神戸 亮 ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラ J.S.バッハ 無伴奏チェロ組曲

寺神戸 亮さんのヴァイオリンでシャコンダを1度聴いたことがある。
この後『古楽音楽祭』で数回演奏を聴いて、今回このライブを知り
これを聴いて島へ移る事に決めた。

このヴィオロンチェロ・ダ・スパッラは1660年ごろの楽器らしく
”ヴィオローネの小さいもの”と言う意味からこう呼ばれる様になったとの事。
バッハの言う”ヴィオラ・ポンポーザ”ではないか、と最近の研究で分ってきたようだ。
肩かた紐でつるして弓で弾く楽器で、流れ出る音は現代人には奇妙に聞こえる。
それでもやっぱり聴いてみたかった。

寺神戸さんが少しお痩せになっていて、後で知ったが10kg落とされたそうだ。
健康的になられた、と表現するのが正しいのかも知れない。
聴きなれたはずの無伴奏だが、その違和感のある音で耳にする音楽は
なんとも不思議な世界へ連れて行ってくれた。
演奏後、寺神戸さんのご説明で、バッハがこの楽器で演奏する際に弦の音階を
ドレミファ、ソ、ラ、ソ・・・とする様書いていたと言う事を知り
この奇妙なメロディとなると言う事が分った。

奇妙と言って良いのかどうか分らない気もする。
曲を書いた本人が、この音階で書いたのならば
奇妙と書いた曲こそが、本当の”曲”なのだろうから。

寺神戸さんが語られていた。
「現代のバロック・チェロに慣れた耳には奇妙に、異質に響くかも知れません。
しかしの流れの中では、この楽器もまた、チェロであり
それがチェリストではなく、ヴァイオリニストによって演奏される事に注目して欲しい」と。

島への旅立ちには、丁度良い感じの、過去からの贈り物だった。
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by Mercedes88 | 2007-02-18 17:20 | 音楽
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